こんにちは!Five G スタッフMです!
今回はこれからユーロラック・モジュラーシンセを始めたい方向けに「モジュラーシンセを始める4つの買い方」をお伝えします。
何だか意識高い系ライフハック・ブログの様なタイトルですが(笑)一度こういうタイトルつけてみたかったんですよ。
内容はそこまで意識高くないので、どうぞごゆるりと最後までお読みいただければと思います。
モジュラーシンセを扱う上での基礎的な知識は【初心者のためのユーロラック・モジュラーシンセ入門講座 Vol.1】モジュラーシンセを始めよう!編でご紹介していますので、そちらの記事も併せてご覧ください。
Vol.1 をご覧になって「ユーロラック・モジュラーシンセの基礎的な扱い方は分かったけど、それじゃあどういう順番でケースやモジュールを買っていけばいいの?」と思った方も多いと思います。
今回はその辺について詳しく解説したいと思います。
その1 : モジュラー・システムから買う
まずはモジュラーシンセを多く開発しているメーカーから発売されている、モジュラー・システムから買うスタイルです。
様々なメーカーから機能的で無駄なく使用できるモジュールをセレクトしたシステムが発売されています。
もちろんモジュラー用電源付きケースに入っているので、電源をつないでオーディオ出力をミキサーやスピーカーに繋げればすぐに使う事ができます。
とりあえず何を買ったら良いか分からないけど色んな機能のモジュールが欲しい!という方にはこの方法がオススメです。
モジュールを追加でマウントするためのブランク・スペースがあるシステムなら、後で自分の好きなモジュールを足して自分だけのオリジナル・システムを構築する事も可能です。
ケースとモジュールを別々に買い揃えるよりも、ちょっとだけお得な価格で手に入れる事ができます。
まだモジュラーシンセを作っているメーカーが少なかった頃は主流だったスタイルです。昔当店ではDoepfer A-100 BS-2-P9 が飛ぶ様に売れていた時期がありました。
ザ・ベストセラー!これぞクラシック!Doepfer のベーシック・システム A-100 BS-2-P9 です。84HP のブランク・スペースに自分の好きなモジュールを足す事が可能!
Buchla や Serge といったアメリカ西海岸スタイルのシンセから多大な影響を受けているメーカー、Make Noise の最強モジュラーシステムShared System Black & Gold。ブランク・スペースはそれほど多くはありませんが、自分の好きなモジュールを足す事が可能です。
その2 : 自分が気になるモジュールから買う
2番目は自分が気になるモジュールから買うスタイルです。
モジュラーシンセのメーカー数が爆増しユーザーの選択肢が増えた現在、お店で見ていてもこの買い方のお客様が一番多いですね。
とりあえず手頃なサイズのケースを購入し、自分の気になるモジュールから徐々に増やしていきます。
ある程度シンセサイザーに詳しく、自分で色んな情報を収集するのが得意な方はこのスタイルが一番だと思います。
その3 : シンセボイス・モジュールから買う
とりあえず音が出るシステムを組みたい!という方はモジュラー用電源付きケースとシンセボイス・モジュールから買うのも手です。
シンセボイス・モジュールについてはこちらの記事で詳しく解説しているのでご覧ください。
CV とゲートを入力するだけで立派なモノシンセに!コスパ抜群の「シンセボイス」モジュール!
モジュールを1つマウントするだけで手っ取り早く音が出るモジュラー・システムの一丁あがりです!モジュラー上級者の方から「それはシステムなのか」という声が聞こえてきそうですが、私は立派なシステムだと思います。
後で絶対にモジュールを買い足したくなると思うので、シンセボイス・モジュールをマウントしても少し余裕のあるケースを用意しましょう。
アナログシンセメーカーの老舗、 Studio Electronics のTONESTAR 8106。ヴィンテージ・シンセの様な質感の太く温かいサウンドが魅力。パッチポイントが多く幅広い音作りが楽しめて拡張性が高いのもポイント。
デジタル系のモジュールを多くリリースしている人気のメーカー、Mutable Instruments のデジタル・シンセボイス・モジュールPlaits。16種類のアルゴリズムで幅広いサウンドを出すことができ、より密度感の増した音質が魅力です。
その4 : セミモジュラー・シンセから買う
ユーロラックではありませんが、モジュラーシンセへの入り口としてセミモジュラー・シンセから買うのもアリです。
セミモジュラー・シンセはモジュラー用電源付きケースを用意する必要が無く、電源を接続するだけで使用できます。
モジュラーで拡張したくなってきたらセミモジュラー・シンセをコアとして、別にケースを用意してモジュラーを買い足していくスタイルです。
ベストセラーのセミモジュラーシンセ Dark Energy の最新バージョンDoepfer Dark Energy III。ベースやリードから、高速 LFO を活かした金属的なサウンドやノイズ・ドローンまで何でもイケます。
Make Noise のエッセンスがギュッと詰まったMake Noise 0-Coast。Buchla や Serge といったアメリカ西海岸スタイルのシンセシスと、Moog に代表される東海岸スタイルのシンセシスが合わさったセミモジュラー・シンセです。
0-Coast についての詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。
East Coast + West Coast = 0-Coast!? 新しいスタイルのシンセサイザー「Make Noise 0-Coast」
どんな音が出したか?どんな事をしたいか?が重要。まずは情報収集!
いかがでしたか?モジュラーシンセに限らず楽器を買う上で大事な事ですが、まず自分が「どんな音が出したか?どんな事をしたいか?」を見極める事が大事です。
その上で今回ご紹介した方法が参考になれば幸いです。
まだあまりモジュラーシンセの事が分からなくても、当店をはじめ楽器店のスタッフさんや周りのモジュラーシンセを持っている方に相談してみるのも手です。
Youtube で「モジュラーシンセ」「Modular Synth」「Eurorack」といったキーワードで検索すると、ものすごい数のモジュラーシンセ演奏動画が出てくるのできっと参考になるはずです。
最近はモジュラーユーザーの増加に伴い、全国あちこちでモジュラーを使ったライヴをする方がいたり、モジュラーシンセのイベントが開催されているので、イベントに足を運んでみてモジュラーユーザーさんに色々聞いてみるのも良いと思います。
モジュラーユーザーさんはみんな仲間が増える事を望んでいるので、きっと親切に教えてくれると思います。
お近くにモジュラーシンセを展示しているお店がある方は足を運んでみて下さい。当店は取り扱っているモジュールをほぼ全て展示しているので、店頭で片っ端から試奏しまくってお気に入りの音が出るモジュールや面白いと思うモジュールを見つけましょう!
Five G では名物の「モジュラーの壁」をご用意して皆様のご来店をお待ちしています!
それでは「初心者のためのユーロラック・モジュラーシンセ入門講座 Vol.3」でまたお会いしましょう!