今回ご紹介するのは Make Noise のローパスゲートモジュール「Optomix」です。
- WIDTH : 8 HP
- DEPTH : 24 mm
- 消費電流 : +12V: 25 mA, -12V: 25 mA
ローパスゲート?シンセ用語としてあまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、簡単に言うと「VCFとVCAとエンベロープを合わせた様な物」です。Optomix には「バクトロール」というパーツが使われており、このバクトロールが生み出す独特なエンベロープで、フィルターとアンプを同時にコントロールするんです。
Buchla や SERGE といったちょっとマニアックな、西海岸スタイルのシンセサイザーでよく使われる回路なんですね。
とりあえずオーソドックスな使い方としてはシグナル入力(各チャンネル左上の矢印が描かれているジャック)へ適当な、オーディオソース(シンプルな波形からグチャグチャなノイズまで何でもOK!)を入力し、Strike 入力へトリガー信号を入れてみましょう。たったこれだけで短いエンベロープの叩く、弾くといった感じのサウンドができます。
この独特なクセのあるポコポコとしたボンゴのようなサウンドはハマると病み付きになり、延々といじり倒してしまうくらい中毒性が高いです!
単純にフィルターとアンプとエンベロープが8HPのスペースの中で一体となっていて(しかもデュアルで!!!)簡単に扱えるという点から、スペース的、コスト的に非常にパフォーマンスの高いモジュールです。
ローパスゲートの鍵を握るのは謎のブラックボックス「バクトロール」
ローパスゲートの独特なエンベロープの鍵を握るのが、この謎の小さなブラックボックスです。見やすい様に Optomix の基板から外してみました。
「バクトロール(フォトカプラー)」と呼ばれているパーツで、中身はこんな感じです。電子回路に詳しい方にはおなじみの物らしいのですが、私はこんなお店で働きながら実はその辺があまり詳しくないので、この Optomix でバクトロールの事を初めて知りました。
一方に LED(発光ダイオード)が、その反対側にに受光素子が入っていて、LED 以外の光で反応しない様に黒い箱に入っています。Strike 入力や CTRL 入力へ入力されたトリガーや CV で LED が光り、その光を受光素子が受ける際に若干の遅れが生じて独特なエンベロープが生成されます。Optomix の有機的なサウンドの秘密は「光」にあったんですね。
Opto = 光の、光学的
Opto + Mix で Optomix、という訳です。
先ほどの Strike 入力は一気にバクトロールの反応を全開にする事で素早いアタックと適度なディケイのエンベロープを生み出していたんですね。
サウンドはチャンネル毎の出力か、パネル一番下の SUM から出力されます。SUM には AUX 入力も用意されているので、もう一台の Optomix など別のモジュールを繋げる事ができます。
リビジョン2からオフセット電圧が追加されてますます便利に!
2016年6月現在最新のリビジョン2では各チャンネルのシグナル入力へケーブルを接続していないと、オフセット電圧が接続されるようになりました。これが何を意味するかというと、CTRL 入力や STRIKE 入力へトリガーやゲートを入力するだけで、独特なカーブを持ったエンベロープとして使用できるんですね!CTRL 入力へゲートを入力すればサスティン-リリースのエンベロープ、STRIKE へトリガーを入力すればディケイのみのエンベロープとして使用できます。お手軽なモジュレーションソースとしても活躍します!
またDAMP入力がオーディオソースに反応する様になったので、Optomix をサイドチェイン・コンプレッサーの様に使う事ができる様になりました。キックを入力して今流行りの感じのダンスミュージックを作る事もできますね!?
Make Noise Optomix はこんな方にオススメ!
- 手軽に楽器的なサウンドを作りたい
- 独特なモジュレーションソースが欲しい
- サイドチェインでブワッブワッいわせたい
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Make Noise Optomix (Rev.2) | ユーロラック・モジュラーシンセ | Five G music technology