Teenage Engineering から、手のひらサイズの多機能ミキサー/オーディオインターフェース「TX-6」が発売!

こんにちは。Five G スタッフのミヨサワです。

スウェーデンの電子楽器メーカー、Teenage Engineering から凄い製品が発売です。ウルトラポータブルなミキサー、そしてオーディオインターフェイス、その名も「TX-6」。発表時の最初の印象は「あ、PO シリーズやガジェット楽器を接続するのに便利そうな小さいミキサーですねー」そんな感想だったのですが、デモ動画や製品説明を読み進め、実機を触ってみると、これはとんでもない製品であることが分かりました。

Five G ではデモ機をお借りして一足早く触れる機会をいただきましたので、ファーストインプレッションをお届けします!

どこでも使える超小型の多チャンネルミキサー、オーディオインターフェース

TX-6の主な機能はミキサー、そしてオーディオ・インターフェースです。

本体背面に6つのジャックがあり、TRSミニケーブルを接続すると6チャンネルのステレオ、Yケーブルを接続すると最大12チャンネルのモノラル入力が可能です。出力は本体手前にあり、Aux Out、Cue Out、Main Out へ、ヘッドフォンやスピーカーを繋いでミックスしたサウンドをモニターすることができます。

24bit/48kHz オーディオインターフェースとして使用する場合はUSB CポートからコンピューターやiOSデバイスなどへ接続します。TX-6側の設定により「2 In 2 Out」「2 In 12 Out」「12 In 2 Out」の3モードから切り替えることができます。このサイズで 12 In または 12 Out って、とんでもないチャンネル数ですね。パッケージには「Made for iPhone」のロゴがあり、Apple お墨付きのクオリティであることが分かります。

サウンドはクセが無く非常に素直です。幅広い用途で使用できそうですね。またこのサイズなのでカフェや移動中に作業をする際の、ヘッドフォン用のインターフェースとしても重宝しそうです。

電源は内蔵の充電式バッテリーでどこでも気軽に使用することができます。マシンライブなんかでも重宝しそうですね。

本体背面。USB Cと6つのジャックがあります。
Ableton Liveに接続。用途に応じて3つのモードから選んで使用できます。
本体前面。auxボタンとcueボタン、3系統の出力があります。
安心と信頼の Made for iPhone クオリティ。

驚くほど小さい!そして超高級感あふれる手触り

ボディはアルミニウム製アルミニウム製。ノブ、スライダー、ボタンともに非常に良い感触です。ノブとスライダーは硬すぎず、緩すぎず、程よい抵抗感があるので、狙ったところでピタッと止められます。

本体の底面はなんと美しいインディゴ・ブルーのレザーです。革ですよ!革!この高級感のあるレザーの手触り、非常に心地よいです。TX-6は財布のように毎日触れそうなデバイスなので、このあたりのこだわりは流石としか言いようがありません。

手のひらに乗せると程よい重みがあり、このコンパクトなボディに色々な機能がぎゅぎゅーっと詰め込まれているのを感じます。とにかく手にした時の高級感がたまりません。思わずニヤニヤしてしまうほどです。

スライダー。狙ったところでピタッと止まります。
縦はちょうど標準鍵盤の黒鍵と同じくらいのサイズです。
高級感あふれるレザー張りの底面!
ノブ。とても小さいパーツですがここもアルミ製です。
手のひらにすっぽり収まるほど小さいです。

本体手前の突起の正体…

個人的にTX-6の製品写真を見て気になっていたポイントの一つ、「本体手前の突起」。ボリュームかな?パラメーターをコントロールするためのノブかな?と推測していたのですが、その正体は「ステレオミニ – 標準フォーン変換プラグ」でした!実は定番のアイテムだったとは。しかしこの変換プラグもTX-6のために特別に作られたと思われる高級感あふれる逸品です。手に入れた際は失くさないように気をつけましょう。

いろんな機能てんこ盛り!

本体右側の円形のボタンで素早くON/OFFできる8種類のエフェクト、シンセサイザーとドラムマシン、楽器用チューナー、メトロノーム、本体を横に設置してDJミキサーとして使用できるモードなど、ここでは書ききれないほどさまざまな機能を搭載しています。ここでは2つのモードだけご紹介します。

シンセモード

シンセ屋さんとしてはシンセモードが気になるところ。シンセモードは6つのトラックにそれぞれシンセ波形(サイン波、三角波、矩形波、ノコギリ波)、キック、スネア、クラップ、ハイハットのいずれかをアサインして演奏できるというモード。トラックボタンでトリガーするか、外部MIDIノートでトリガーするか、TX-6内であらかじめ用意されたシーケンスで走らせるかのいずれかで演奏できます。エディットは簡易的なもので、それぞれピッチとレングスを変更できます。

シンセやドラムマシンとして使用するよりは、生楽器の伴奏用にちょっとしたリズムが欲しい時に重宝する機能です。

MIDIコントローラーモード

MIDIコントローラーモードにすると、TX-6をMIDIコントローラーとして使用することができます。TX-6のすべてのノブ、スライダー、ボタンをMIDI CCとして送信できるので、DAWやソフトシンセのコントローラーとしても重宝します。このサイズでこれだけの数のパラメーターをコントロールできるのはとても便利ですね。

発売から2ヶ月目で数々の機能が追加!今後のアップデートにも期待!

Teenage Engineering といえば世界中で10年にも渡るロングセラーを続ける OP-1 が有名です。(TX-6 とほぼ同時に後継機種の「OP-1 field」が発表になりましたね。)OP-1 は2011年の発売から定期的なファームウェア・アップデートを続け、新たなシンセシス・モデルやシーケンサー、ゲーム(!)まで追加されてきました。発売10周年にあたる2021には、大型アップデートにより USB オーディオデバイス機能が追加され、USBケーブル1本で DAW とオーディオ信号のやりとりが可能になりました。

OP-1の前例があるので、TX-6の今後のアップデートも気になるところです。TX-6は発表からまだ2ヶ月ほどしか経っていない2022年6月に最初のアップデートである、ファームウェア 1.1.4 が公開されました。アップデート内容は下記の通りです。

  • USBストレージ(USBメモリ/SSD)による24bit/48kHzステレオWAVファイルの録音/再生機能。1ファイルにつき最長で4時間8分(248分)まで録音可能(オーディオ検出による自動開始のアームレコーディングが可能)
  • AUXおよびCUEにPO-Sync出力を搭載(PO-Syncは8分音符、モジュラーシステムへの16分音符を選択可能)
  • TX-6の全パラメータを外部MIDIで制御可能になり、MIDIによる完全なリモート・コントロールを実現
  • synth modeのMIDIサポートが拡張、外部キーボードからのMIDI信号でシンセをクロマチックに演奏可能
  • すべての設定の保存と読み込みが可能な「scenes」を追加
  • USBオーディオで複数のサンプルレートをサポート。48kHzおよび44.1kHz(MPC liveなどとの互換性)
  • Bluetooth(BLE)MIDIクロック入力/出力に対応。クロックルーティングの設定が可能
  • Bluetooth(BLE)midiキーボードなどの周辺機器を接続できるBLEホストモードを搭載
  • AUX出力とCUE出力の切り替えが可能。ハイインピーダンスヘッドホンに必要な場合AUX端子の高出力を利用可能
  • 入力モードにステレオ/モノ/スプリットに加えて、バランスド・モノ入力モードを追加
  • 各パラメーターはノブを動かすまで元の値を保持するようになり、ノブ設定の切り替えがより簡単に
  • Freeze FX パラメーターのスナップバックを廃止、クリックでリセットできるように変更
  • FX I Send の変更をよりスムーズに設定可能
  • USB MIDIホストモードに関する安定性の改善
  • USBオーディオモードが、直接ではなくメニューの終了時に設定されるように変更

USB メモリへのダイレクト・レコーディング、Bluetooth MIDI の機能拡張と、早速大きな機能の追加がありました。Teenageさん、いきなり飛ばし過ぎじゃありませんか?さてさて、これからどんな機能を追加していくのか、早めに手に入れて愛用しながら、アップデートによる機能の追加を楽しむのも一興かもしれません。

Teenage Engineering TX-6 はこんな方にオススメ

  • とにかく小さくて良いサウンドのオーディオ・インターフェースが欲しい方!
  • どこでも使えるコンパクトなミキサーが必要な方!
  • ガジェット楽器愛好家の方!

TX-6、いかがでしたか?発売から数ヶ月の時点ですでに素晴らしいアイテムですが、やはり今後のファームウェアアップデートでどんなアイテムに進化していくか、楽しみでなりません。