今回ご紹介するのはあのE-MU SP-1200などの名機を生み出した、元E-MUのエンジニア Dave Rossum氏による新たなメーカーRossum Electro-Music (ロッサム・エレクトロ・ミュージック)の革新的なフィルターモジュールEvolutionです。(紹介動画も後日掲載する予定です。)
- WIDTH : 16 HP
- DEPTH : 25 mm
- 消費電流 : +12V: 85 mA, -12V: 75 mA
ハイクオリティなサウンドのラダーフィルター
Evolution は Moog タイプのラダーフィルターモジュールです。元となっているのは E-MU System 2100 に搭載されていたラダーフィルターという事で、クラシックで温かみのあるフィルターサウンドを得る事ができます。
まずは Evolution の特徴的な3つのパラメーター、Q LEVEL COMPENSATION、SPECIESを左方向に回しきり、GENUSを4Poleに合わせて、ノコギリ波を入力しオーソドックスなラダーフィルターとしてのサウンドを聴いてみましょう。
ハリがあり、フリーケンシーを動かした際の感触もきめ細かで、非常に良いサウンドです。
オーディオ入力へ何も繋がず、レゾナンスをフルまで上げると自己発振するので、ハイクオリティなサイン波オシレーターとしても使用する事ができます。変な歪みが無い、心地よく美しいサイン波を出力してくれます。FREQUENCY コントロールには1V/Oct入力が用意されているので、正確なピッチで楽器的な使い方をする際にも使用できます。
FREQUENCYのみ3つ、Q、GENUS、SPECIESは2つずつと、フィルターにしてはかなり多くのCV入力を搭載しています。適当なモジュレーションソースを沢山入力して、ノイズドローンを作ってみるのも面白いですよ!
音やせ解消!Q LEVEL COMPENSATION
次にレゾナンスをある程度効かせた上で Q LEVEL COMPENSATION を徐々に上げていきます。アイエエエ!?レゾナンスのサウンドはそのままで原音の音量がググーッと上がります。普通のラダーフィルターに慣れていると少々違和感を感じるかもしれませんが、慣れてくると心地よいバランスのスウィートスポットが見つかりますよ!
フィルター特性を滑らかに変化!GENUS
Evolutionの一番特徴的なパラメーターがこの GENUS です!普通フィルターの特性は2Poleだったら2Pole、4Poleだったら4Poleと、決まった特性に「切り替える」ものでした。しかしEvolutionはこれを滑らかに「クロスフェード」させる事ができるんです!ノブを回して3Poleと4Poleの間など絶妙なポイントのサウンドを得る事ができます。CV入力が2つ用意されているので、エンベロープやステップ・シーケンサー等を繋いでみると新しいサウンドが聴けます!
原音を突っ込んで歪ませる!SPECIES
SPECIES は原音をフィルターへ入力するレベルをコントロールする事ができます。SPECIES が0だと特に歪まない原音そのままの音量が入力されています。SPECIES を上げていくと徐々にラダーフィルター独特の歪みが加わっていきます。歪みによる心地よい倍音を加えながら、カットオフで絞っていくという音作りが可能です。
非常に高いビルドクオリティ!しかし…
Evolution はサウンドだけでなく、モノとしてのクオリティも非常に高いです。シルバーのパネルに黒とアクセントとしてライトブルーがあしらわれた美しいレイアウト。ジャックの刺し心地は軽やかで、かつカチッと奥まで刺さった感覚があります。ノブはしっかりとパネルについており変なグラツキがありません。ノブのトップの加工が美しく周りのギザギザはしっかりと指に絡みつきます。回す際は絶妙なトルク感を持ち、狙ったポイントへピタリと回す事ができます。
しかし!唯一残念なのはツマミの間隔が狭く、ツマミを回す際に爪がとなりのツマミに当たってしまう点です。この点だけクリアしていれば本当にパーフェクトなモジュールなのですが…
Rossum Electro-Music Evolutionはこんな方にオススメ!
- ワンランク上のフィルターが欲しい
- 今までに無い使い心地のフィルターが欲しい
- 昔からのE-MU製品ファン
フィルターとしては少々お値段の張る Evolution ですが、お値段以上のサウンドを手に入れる事ができる1台です!オススメです!
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Rossum Electro-Music Evolution | ユーロラック・モジュラーシンセ | Five G music technology