今回ご紹介するのはモジュラーシンセ初心者から上級者まで必携のユーティリティーモジュール、マルチプルです。各社から様々なデザインの物が出ていますが、今回は一番オーソドックスなDoepferのマルチプル「A-180-1」と「A-180-2」マルチプル・ブラザーズをご紹介します。
- Width : 4 HP
- Depth : 10 mm
- Current : +12V 0 mA, -12V 0 mA
- Width : 2 HP
- Depth : 10 mm
- Current : +12V 0 mA, -12V 0 mA
- ジャックのまわりのスペースに余裕があるため、ケーブルの抜き差しがしやすい
- A-180-2と比べると2倍のスペースを占拠してしまう
- 幅がたったの2HPと省スペースなのでちょっとした隙間にマウントできる
- ジャックのまわりのスペースに余裕が無く、ケーブルを抜き差ししづらい場合がある
- Width : 4 HP
- Depth : 30 mm
- Current : +12V 0 mA, -12V 0 mA
- Width : 6 HP
- Depth : 20 mm
- Current : +12V 0 mA, -12V 0 mA
- ほぼ全てのモジュラーシンセユーザー
-
まず、マルチプルとは何ぞや?という疑問にお答えしなければなりません。「マルチプル」という言葉は「複数の」などの意味を持ちます。つまり「信号を複数に分ける」モジュールです。一つのモジュレーションソースを分けて複数のパラメーターをモジュレーションしたい時や、オーディオ信号を分けて別々のオーディオ処理をしたい時など、あらゆる場面で活躍するモジュラーシンセユーザー「必携」ともいえるモジュールです。
使い方は簡単、分けたい信号をいずれかのジャックに入力し、他のジャックにケーブルを繋ぐと信号が出てきます。分けたい分だけケーブルを繋ぎましょう。このA-180シリーズは上のジャック4つと下のジャック4つで分かれているので、1 In 3 Out を2系統使えます。
ちなみに裏面の基板の中央あたりのポイントをハンダで繋げれば1 In 7 Outでも使用する事ができます。
勘の良い方はお気づきかと思いますが、実はマルチプルは超シンプルなモジュールで「複数のジャックが裏で繋がっているだけ」なんです。難しい仕掛けなんか一切無い極めて原始的な作りのモジュールです。
そんなマルチプルですがA-180-1とA-180-2、機能はどっちも一緒です。用途によってお好きな方をお選び下さい。大きさの違いにより以下の様なメリットとデメリットがあるのでご参考までに。
A-180-1のメリットとデメリット
A-180-2のメリットとデメリット
ちなみに普通のマルチプルはみんな電源を必要としない「パッシブ」タイプの物が殆どです。という事はモジュールからバスボードにケーブルを接続する必要が無いため、モジュールを新たにマウントするために隣のモジュールを外して…などの手間が無く簡単にマウントできるのも、ちょっとした魅力のうちの一つです。ちょっとしたスペースを埋めるためにブラインドプレートを使用する事がありますが、穴埋め以外に何の機能も持たないブラインドプレートを入れるくらいなら、マルチプルなどのパッシブタイプのお手軽ユーティリティーモジュールを入れておく事をオススメします!
あると便利なマルチプルですが、近年その地位を脅かすケーブル「Tiptop Audio Stackable Cable 」が登場しました。Five G でもなかなかの勢いで売れている便利グッズです。
詳しくは特集ページをご覧下さい。
ケーブルで信号を分割!スコブル便利な「Tiptop Audio Stackable Cable」
まだいるよ!マルチプル・ブラザーズ
Doepfer のマルチプルはご紹介した代表的な2機種の他にも、まだ兄弟がいます。
こちらはユーロラック・モジュラーシンセで使用するMiniジャックを標準Phoneに変換できるA-181 Multiples 2です。一応マルチプルに分類されますが、どちらかというとケーブルを変換する用途で使う事が多いです。
こちらはスイッチを使って任意の2系統に振り分ける事ができるA-182-1 Switched Multiplesです。1と2に振り分ける他にOffもあるので、マルチプル以外にも手動のスイッチとしても使用できますね。
電圧を落としたくない場合はバッファー付きを!
ちなみにパッシブタイプのマルチプルには弱点があり、信号を分割すればするほど電圧が落ちてしまうんです。「モジュラーシンセで正確な音階を演奏する際のピッチCV」を分割するとチューニングがヨレヨレになってしまうので向いていません。
そんな時はアクティブ(電源を取るタイプ)なバッファー付きのマルチプルを使用しましょう!バッファー付きのマルチプルなら信号を分割しても電圧が落ちないため、CVを正確に分割したい場合に向いています。
ちなみに2016年5月現在、 Five G で取扱いのあるマルチプルでバッファー付きの物はMutable Instruments Linksの一番上の機能だけです。
専用のモジュールはDoepferが「A-180-3 Dual Buffered Multiple」を開発中です。
Doepfer A-180-1 & A-180-2 はこんな方にオススメ!
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Doepfer A-180-1 Multiples | ユーロラック・モジュラーシンセ | Five G music technology
Doepfer A-180-2 Multiples 3 2HP | ユーロラック・モジュラーシンセ | Five G music technology