EMS Polysynthi

「VCS3」「Synthi-A」「Synthi-AKS」といった伝説的なシンセサイザーで有名な EMS(Electronic Music Studios)。革新的なパッチ・マトリクスを搭載し、モジュラー・シンセサイザーのパネルからパッチングのためのジャックを排除。当時は巨大な物が多かったモジュラー・シンセサイザーを大幅に小型化し、「Synthi-A」「Synthi-AKS」に至ってはトランクケース程度の大きさにまで落とし込みました。これらのシンセサイザーは生産台数の少なさと、その素晴らしいサウンドにより、伝説的な存在として今も語り継がれています。

そんな伝説的な EMS シンセの中でも「幻」や「Super RARE!」と言われるのがこの Polysynthi です。生産台数は極めて少なく、100台程度かそれ以下とも言われています。

以前 Resident Advisor「Five G: 愛機との出会いを求めて」にて当店が取材を受けた際に、店頭で展示されていた個体はサイドパネルとフロントパネルが黒で、ピッチベンド・ホイールは赤。こちらはまた別の個体で、サイドとフロント部分が木目で、ピッチベンド・ホイールは灰色です。また、このシンセサイザーについて調べてみると、コントロール・パネルが灰色の物もあるようです。一体いくつのバリエーションが、どの程度この世に現存しているのか、謎は深まるばかりです。

今回のこの個体は本体の底面にロゴのシールと、パッチシートのシールが貼られていました。もともと貼られていたものなのか、それとも本体に付属していたもの(?)を以前のオーナーが自分で貼ったのか。これもまた謎です。

Youtube にいくつか動画が上がっているので、気になるサウンドはそちらで確認することができます。